
米上院が特許法改正法案を承認:下院も同様な法案の導入へ
米国上院は、2011年3月8日に米特許法の改正を目的とする法案を承認した。下院でも同様な法案が通過すると見込まれている。これらの法案は、オバマ政権が強く支持するAmerica Invents Act (AIA) の一部分である。この法案が成立すると、AIAは1952年来最も包括的な特許法の改正となる。AIAの主な条款、及びAIAと過去の米特許法改正の試みとの違いの概要は次のとおりである。
先願主義
現行の先発明主義を他の先進諸国が導入しているシステムと同様な先願主義に切り替える。
虚偽表示
私人による代理訴訟制度(qui tam)を排除して、連邦政府だけが米国特許法292(a)条で規定されている虚偽表示処罰の訴訟を起こすことができるとしている。更に、実際に侵害を受けている者が損害回収のために提訴することができる条款を付け加えている。
発明者決定の手続き
先願主義は第三者による干渉手続きを除外しているが、特許出願者が他の出願者の請願拒否又は取り消しを求めて米国特許商標局に訴えを起こすことができるように、AIAは真の発明者を決定する手続きを組み込んでいる。
当事者間の見直し
訴訟手続きを始めるための条件を、請願者が「特許性に対する実質的で新しい疑問がある」と示すことから、「請願者は見直しが請求された特許クレームの少なくても1つに関しては成功する合理的蓋然性(reasonable likelihood)がある」と示すことへ変更することによって、当事者間再審査プロセスを改定するとしている。
特許登録後審査
先行技術に関する事由(先行性または自明性)、又は米国特許法112条または251条に基づく特許の明細の不備を理由に、異議申立人は特許付与から9ヶ月の間に米国特許商標局による特許有効性の登録後審査を開始する申請ができるとしている。
第三者による特許申請中の関連資料提出
特許申請の審査期間中に、第三者による潜在的関連性のある先行技術に関する資料の提出を認めている。
ビジネスモデル特許の見直し
ビジネスモデル特許の侵害を疑われている者が、特許の見直しを求めて特許商標局に申し立てできる手続きを確立している。
過去の米国の特許改正法案とは異なり、AIAは次を対象とする条款を含んでいない:
(i) 裁判地-特許侵害訴訟のために特殊な管轄区域を設ける。
(ii) 特許クレームの解釈-特許クレーム解釈判決の即時抗告を起こす。
(iii) 意図的な侵害行為-意図的な侵害行為を主張するために特許権保有者の能力を制限する。
(iv) 損害賠償-特許損害賠償を制限する。
上記の概要は、AIAの最も顕著な条款から抽出したもで、それぞれの手続き条件やその他条款が与える影響の完全なる分析を含むものではない。
(本件に関する詳細は、3月18日発行の「IP アドバイザリー」に記載されています。)
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John W. Cox, Ph.D.
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